アルダラについて
アルダラ(Aldara)は日本での薬名はベセルナクリーム(持田製薬)と呼ばれる尖圭コンジローマや日光角化症に用いられる医薬品です。有効成分としてイミキモドを含有しています。イボに直接塗ることでウイルスに対する免疫力を高め、ウイルスの増殖を抑えます。そして、ウイルス感染細胞の障害により、イボを消失させます。ただし、原因ウイルスを完全に除去することは困難です。
ジェネリック名のアルダラクリームは、同一成分の後発薬で製薬大手のグレンマークが製造販売しています。
尖圭コンジローマについて
尖形コンジローマ(Condyloma acuminatum)とは、ヒトパピローマウイルス(HPV)6、11型などを原因となるウイルス性性感染症で、生殖器とその周辺に発症します。淡紅色ないし褐色の病変で特徴的な形態を示し、視診による診断が可能です。自然治癒が多い良性病変ですが、パピローマウイルスの型によっては悪性化にも注意しながら経過観察することが必要となります。
尖圭コンジローマに感染すると性器や肛門のまわりにイボができます。イボができる場所は、男性の場合は主に亀頭の先端部分や冠状溝といわれる辺り、包皮内外板(包皮の内側・外側)、陰のう、会陰(陰のうと肛門の間)、尿道口、肛門のまわりや肛門内などです。
尖圭コンジローマが起こる原因
尖圭コンジローマが起こる原因は、HPVというウイルスの感染です。HPVにはさまざまな種類があり、尖圭コンジローマを引き起こすタイプのウイルスは主に、セックスやそれに類似する行為により皮膚や粘膜にある小さな傷に侵入して感染します。
尖圭コンジローマは、原因であるウイルスが感染してもすぐにイボがあらわれるわけではありません。ウイルスが感染してからイボが確認できるようになるまで、3週間~8ヵ月ほどかかるといわれています
効能・効果
・尖圭コンジローマ(外性器又は肛門周囲に限ります)
・日光角化症(顔面又は禿頭部に限ります)
作用機序
アルダラクリームの効果は尖圭コンジローマの表面に塗布することで有効成分となっているイミキモドが皮膚内にあるマクロファージと呼ばれる免疫応答細胞であるTLR7(トールライクレセプター7)に結びつくことで免疫が分泌されやすい状態にします。内因性液性免疫であるインターフェロンαやインターキロン12などを誘発することでインターキロンがNK細胞(ナチュラルキラー)やキラーT細胞などの細胞性免疫を誘発することでHPVを攻撃し、免疫を高める免疫賦活作用によってウイルスの増殖を抑えることができます。
正しい使い方
・塗布は週3回
臨床試験において、塗布部位の皮膚障害及び重 度の皮膚障害の発現率が週3回塗布した試験に比べ連日塗布した試験で高いことから、塗布頻度の増加により、塗布部位の皮膚障害及び重度の皮膚障害の発現頻度が高まると考えられます。
・使用は原則16週間まで
臨床試験において、本剤の有効性及び安全性については16週までしか評価されていません。使用期間は原則として16週までとされています。
・必ず手指を石けんで洗うこと
手指に薬剤が残っている場合や顔面等の患部以外に付着した場合、光線曝露により光線過敏性反応が生じる可能性は否定できません。
・うすく塗ること
必要以上の量を塗布することにより、塗布部位及びその周辺に重度の皮膚障害が発現する可能性があります
・患部を覆わないこと
塗布部位を密封すると、重度の皮膚障害が発現する可能性があります。
・6~10時間を目安に洗い流すこと
塗布部位及びその周辺部位の重度の紅斑の発現率が6~10時間塗布した試験に比べ22~26時間塗布した試験で高いことから、塗布時間の延長により、重度の皮膚障害の発現頻度が高まると考えられます。
禁忌
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・尿道、腟内、子宮頸部、直腸及び肛門内