レボブノロールについて
レボブノロールはβ受容体遮断作用により房水の産生を抑制し、α1受容体遮断作用により房水の流出を促進することで眼圧を下げます。おもに緑内障の治療に用いられますが、打撲などによる一時的な高眼圧症にも使用されます。
緑内障について
緑内障はその成因から大きく2つのタイプに分けられます。「閉塞隅角緑内障」と「開放隅角緑内障」です。閉塞隅角緑内障は、房水の排水路である隅角が虹彩でふさがれてしまうタイプです。その多くは慢性型ですが、ときに眼圧が急上昇し激しい眼痛や頭痛、充血や視覚異常などをともなう緑内障発作を引き起こします。一方、開放隅角緑内障は、隅角とは関係なく、房水の排水口が目詰まりするタイプです。慢性に推移し、自覚症状が乏しく、視野異常にも気づきにくいので、自覚したときには相当に進行していることが多いです。
この2つは治療方法も違います。閉塞隅角緑内障では、房水を排出させるための手術を優先し、薬物療法は補助的におこなわれます。一方、開放隅角緑内障では、点眼薬による薬物治療が中心になります。その第一選択薬として処方されるのがプロスタグランジン関連薬またはレボブノロールなどのβ受容体遮断薬です。単薬で効果不十分な場合は、これらによる併用療法もおこなわれます。
効能・効果
緑内障、高眼圧症。
用法・用量
通常、1回1滴を1日1回点眼します。十分な眼圧下降効果が持続しない場合は1回1滴、1日2回まで点眼可能です。1日1回又は2回点眼において、1回2滴以上を点眼しても効果は変わらないため、過量点眼にならないように注意が必要です。
用法・用量に関連する使用上の注意
1日1回又は2回点眼において、1回2滴以上を点眼しても効果は変わらないため、過量点眼にならないように注意が必要です。
重大な副作用(類薬)
類薬で、眼類天疱瘡、気管支痙攣、呼吸困難、呼吸不全、うっ血性心不全、心ブロック、脳虚血、心停止、脳血管障害、失神、喘息発作、全身性エリテマトーデスがあらわれることが報告されています。
禁忌
次の患者にはレボブノロールを投与しないこと
・気管支喘息、又はその既往歴のある患者。気管支痙攣、重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者(β-受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により,喘息発作の誘発・増悪がみられるおそれがあります)。
・洞性徐脈、房室ブロック(第II、III度)、コントロール不十分な心不全、心原性ショックのある患者(β-受容体遮断による陰性変時・変力作用により,これらの症状を増悪させるおそれがあります)。
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
併用注意
アドレナリン
ジピベフリン塩酸塩 |
散瞳が起こる可能性があります。 | 機序不明 |
カテコールアミン枯渇剤
レセルピン等 |
交感神経系に対し、過剰の抑制を来すことがあり、低血圧、徐脈を生じ、眩暈、失神、起立性低血圧を起こすことがあります。 | カテコールアミンの枯渇を起こす薬剤は、β-遮断作用を相加的に増強する可能性があります。 |
β-遮断剤(全身投与)
アテノロール プロプラノロール塩酸塩 メトプロロール等 |
眼内圧あるいはβ-遮断剤の全身的な作用が増強されることがあります。 | 作用が相加的にあらわれることがあります。 |
ジギタリス製剤
ジゴキシン ジギトキシン等 |
房室伝導時間を更に延長することがあります。 | 相加的に作用を増強する可能性があります。 |
カルシウム拮抗剤
ベラパミル塩酸塩 ジルチアゼム塩酸塩等 |
房室伝導障害、左室不全、低血圧を起こすおそれがあります。 | 相互に作用が増強されます。 |
フェノチアジン関連化合物
クロルプロマジン等 |
血圧降下を引き起こす可能性があります。 | 代謝を阻害します。 |