ベンゾジアゼピン系抗不安薬ロラゼパム

ロラゼパムについて

ロラゼパムLorazepam)は、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬でする。脳が興奮している状態をしずめ、不安や緊張をやわらげるはたらきがあります。持続時間は中程度で、排出半減期は約12時間です。日本ではファイザー社から「ワイパックス」が1978年から発売されており、後発医薬品として沢井製薬から「サワイ」も販売されています。適応は神経症や心身症における不安・緊張・抑うつです。

ベンゾジアゼピンの中で、ロラゼパムは比較的依存する可能性が高いです。連用により依存症、急激な量の減少により離脱症状を生じることがあります。向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定されています。麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬に分類されます。

適応

・神経症における不安、緊張、抑うつ

・心身症(自律神経失調症、心臓神経症)における身体症候ならびに不安、緊張、抑うつ

服用方法

123回に分けて投与します。飲み忘れた場合は、決して2回分を一度に飲まないでください。

眠気、注意力、集中力、反射運動能力などの低下が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作をしないでください。痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想などの離脱症状や薬物依存の症状があらわれることがあるので、ロラゼパムの服用方法については医師の指示にしたがってください。

副作用

・眠気

・倦怠感や脱力感

・頭痛

・めまい

・集中力の低下

極端な多量服用や他の中枢神経抑制薬やアルコールとの併用の場合、呼吸抑制などの危険な副作用が引き起こされることがあります。

依存性

日本では20173月に「重大な副作用」の項に、連用により依存症を生じることがあるので用量と使用期間に注意し慎重に投与し、急激な量の減少によって離脱症状が生じるため徐々に減量する旨が追加されました。周知徹底のため厚生労働省から関係機関に通達がなされました。奇異反応に関して、錯乱や興奮が生じる旨が記載されています。医薬品医療機器総合機構からは、必要性を考え漫然とした長期使用を避けること、用量順守と類似薬の重複の確認、慎重に少しずつ減量する旨の医薬品適正使用のお願いが出されています。

長期の服用による依存や耐性

長期服用後の離脱症状として、体の震えや不調、不安感、抑うつ症状などが報告されています。長期服用後、いきなり服用をやめると、中断症状として上記のような症状のほか、さまざまな副作用が発症する可能性があります。一般的に、服用期間が長期間になればなるほど、服用量が多ければ多いほど、離脱症状が起こる確率は高くなります。

依存症はベンゾジアゼピンによって4週間治療を受けている人の3分の1に発生します。高用量・長期間の服用者はベンゾジアゼピン依存症の起こるリスクが高くなります。ロラゼパム、アルプラゾラム、トリアゾラムなどは依存を引き起こす可能性が最も高いとされており、その中でもロラゼパムは比較的依存の危険性が高い薬といわれています。

通常は離脱症状が出るのを抑えるため、徐々に薬を減らしていくのが一般的です。また、離脱症状を抑えるために交差耐性の性質を利用し、他の超長時間作用型ベンゾジアゼピン類に切り替えてから漸減していく方法もあります。ただし、元々依存や耐性の可能性が少ない頓服の場合、この限りではありません。

胎児への影響

ベンゾジアゼピン類薬物には催奇形性が多少あるとされており、胎盤通過性がよく、出生直後に胎児に離脱症状が生じるなどの影響が出る場合があります。また、母乳に薬剤が移行するので、授乳期の使用にも注意が必要です。乳児に嗜眠や傾向、体重減少、呼吸抑制の症状が生じる場合があります。

禁忌

・急性狭隅角緑内障のある人

・重症筋無力症のある人