メベンダゾールについて

メベンダゾールMebendazoleMBZ)は、ベンゾイミダゾール系の駆虫薬であり、スペクトラムが広くち多くの寄生虫治療に用いる事のできる医薬品です。回虫症、蟯虫感染症、鉤虫症、メジナ虫症、エキノコックス症、ジアルジア症等が挙げられます。日本では鞭虫症治療薬として承認されています。

メベンダゾールの忍容性は高く、副作用として頭痛、嘔吐、耳鳴りが引き起こされることが知られています。高用量を投与すると、骨髄抑制が起こります。妊婦への安全性は確立されていません。

効能・効果

日本で正式に承認されている効能・効果は「鞭虫症」のみです。メベンダゾールは効果の高い広範囲に有効な駆虫薬で、回虫、鉤虫、鞭虫、線虫、蟯虫等の感染症、旋毛虫症(小腸内)の治療に使用されています。消化管から吸収され難いので、消化管外に寄生した寄生虫には別の薬剤が用いられます。メベンダゾールは軽度から中等度の感染症に単剤で使用されます。殺虫効果が見られるまでの時間が比較的長く、重症感染症では寄生虫が消化管外に出て虫垂炎、胆管障害、腸穿孔等に繋がる危険があります。それらの危険を除くために、重症感染症患者にはピペラジンを用いるほうが望ましいとされています。ピペラジンは寄生虫を麻痺させ、糞中に排出させます。稀に包虫症の治療にも使用されるが、有効性は充分に証明されていません。

メベンダゾールや他のベンズイミダゾール系抗寄生虫薬は、線虫の幼虫および成虫に有効であり、回虫と鞭虫の場合には、卵に対しても殺虫効果を持ちます。寄生虫とその死骸は数日掛けて便中に排出されます。

作用機序

メベンダゾールは寄生虫の微小管合成を選択的に阻害し、虫の腸内の既存の細胞質微小管を破壊し、グルコース等の栄養吸収を妨げ、緩やかに虫体を不動化し、死に至らしめます。健康成人に本剤200mgを単回経口投与した時の消化管からの吸収率は0.10.3%という実験結果があります。

用法及び用量

通常、成人及び小児に対してはメベンダゾールとして1100mg12回(朝・夕)3日間経口投与します。ただし、体重20kg以下の小児には半量にするなど、適宜減量するものとします。

毒性

毒性は極めて低く、副作用が少ない薬です。寄生虫駆除の治療の場合は、大量の寄生虫が駆除される時に腹痛や下痢を起こす場合がある程度で、薬自体の毒性はほとんどないと報告されています。ただし、稀にアレルギー反応によって発疹やじんましんが出る場合もあります。

副作用

重大な副作用として、ショック・アナフィラキシー様症状、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal NecrolysisTEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)が報告されています。また、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal NecrolysisTEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うようにしてください。

過剰投与

過量投与の場合、腹部痙直を起こすことがあります。本剤の投与期間は3日間ですが、長期又は大量投与を受けた患者において、肝炎、無顆粒球症及び糸球体腎炎がまれに報告されています。その場合、特定の解毒剤などはありません。投与1時間以内であれば胃洗浄が行われることがあります。また、必要に応じ活性炭の投与が行われます。

禁忌

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。授乳中の婦人には投与しないことが望ましいとされており、やむを得ず投与する場合には授乳を中止してください。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シメチジン 長期併用投与により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告があります。 肝臓における本剤の代謝が阻害される可能性がある。
メトロニダゾール 併用により中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal NecrolysisTEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれたとの報告があります。 機序不明