メチルフェニデート

メチルフェニデートについて

メチルフェニデートMethylphenidate)は精神刺激薬です。日本では「リタリン(Ritalin)」(ノバルティスファーマ株式会社)と、徐放製剤の「コンサータ(Concerta)」(ヤンセンファーマ株式会社)が認可されています。同効薬として、精神刺激薬のアン

フェタミン、ペモリン、モダフィニルなどがあります。リタリンの運動亢進作用は強度と持続性において、アンフェタミンとカフェインのほぼ中間です。構造的にドーパミンやアンフェタミン、ペモリンなどに類似したピペリジン誘導体です。

第一種向精神薬(麻薬及び向精神薬取締法)と処方箋医薬品・劇薬(医薬品医療機器等法)に指定されています。日本では医師の指導のもとで必要と判断された場合にのみ処方されます。

用法・用量

通常、成人は12060 mg12回に分けて経口摂取します。年齢や症状にあわせて医師が適正な量を調整します。

メチルフェニデートは中枢神経刺激作用を有し、その作用は服用後12時間持続するため、就寝時間等を考慮し、午後の服用は避けることが使用上の注意として記載されています。

適応

日本でのリタリンの適応症はナルコレプシー、コンサータの適応症は注意欠陥・多動性障害(ADHD)です。コンサータの適応は18歳未満でしたが、2013年に18歳以上にも拡大されました。

薬効薬理

ADHD

メチルフェニデートは中枢神経刺激薬です。ADHD を持つ子供には鎮静効果があり、衝動的行動や行動化の傾向を軽減し、学校生活や他の作業に集中できるようにします。ADHDをもつ大人の多くは、メチルフェニデートによって仕事に集中し、生活にメリハリをつける能力を向上させることができます。

メチルフェニデートによるADHDの症状改善の作用機序は詳しくは知られていません。ADHDは脳内のドーパミンの不均衡によって起こると考えられています。メチルフェニデートはドーパミンの再取り込みを行っているドーパミントランスポーターを阻害し、シナプス間隙のドーパミン濃度を上昇させることで、ドーパミン神経系の興奮性を高めていると考えられています。

・ナルコレプシー

ナルコレプシーは睡眠障害のひとつで、時間や場所を問わない強烈な眠気や居眠り、睡眠発作を起こす疾患です。メチルフェニデートはナルコレプシーの睡眠発作に効果があり、日中の異常な眠気を抑え正常な日常生活が送れるようにします。ナルコレプシー患者の多くはメチルフェニデートによって日中の異常な眠気・居眠りを抑えることができます。

・がん患者への緩和医療

がん患者の苦痛を和らげる目的でモルヒネが使用されることがありますが、がんによる倦怠感とモルヒネの副作用である眠気の除去(緩和医療)を目的として、以前はリタリンが広く使われていました。

副作用

メチルフェニデート服用の一般的な副作用として、眠気、不眠、食欲低下、不安増大、神経過敏、消化管症状、眼圧亢進、頭痛、口渇、目のかすみ、嘔気、肝機能障害、中止時の悪性症候群などがあります。

禁忌

・過度の不安、緊張、興奮性のある患者(中枢神経刺激作用により症状を悪化させることがあります)

・緑内障のある患者(眼圧を上昇させるおそれがあります)

・甲状腺機能亢進のある患者(循環器系に影響を及ぼすことがあります)

・不整頻拍、狭心症のある患者(症状を悪化させるおそれがあります)

・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

・運動性チックのある患者、トゥレット症候群またはその既往歴・家族歴のある患者(症状を悪化または誘発させることがあります)

・重症うつ病の患者(抑うつ症状が悪化するおそれがあります)

・褐色細胞腫のある患者(血圧を上昇させるおそれがあります)

・モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤を投与中または投与中止後14日以内の患者