フェンテルミンについて

フェンテルミンPhentermine)は食欲抑制作用を持つため、肥満症の治療に用いられることがあります。同じアンフェタミン類であるマジンドールと同様に、心機能に対する副作用を持ちます。フェンテルミンは、高血圧、高コレステロール、糖尿病などの危険因子を持つ人びとの肥満を治療するために食事療法と運動プログラムとともに併用されます。

フェンテルミンはアメリカ食品医薬品局(FDA)によって1959年に承認された抗肥満薬です。脳内でノルアドレナリンやドパミンの放出を促進して食欲を抑える薬剤として、肥満症に対する短期治療の適応を有し、アメリカでは抗肥満薬で最も広く使用されている薬剤です。アメリカでは市販されていますが、日本国内では未承認医薬品となっており、個人輸入製品による健康被害が厚生労働省へ報告されています。

日本での流通

フェンテルミンは日本未承認の食欲抑制剤であり、麻薬及び向精神薬取締法(麻向法)で第3種向精神薬として指定されています。過去には国内の個人輸入業者等がインターネットでフェンテルミンを取り扱っていたこともありますが、向精神薬の輸出入については麻向法で厳しく規制されています。

自己の疾病のために使用する場合に限り、フェンテルミンの総量が1.125g以下であれば携帯輸入することはできますが、それ以外の場合は向精神薬輸入業者の免許がないと輸入することはできません。携帯輸入したものを販売することも麻向法で規制されているので、基本的に薬局では取り扱うことはできないと理解されます。

作用機序

フェンテルミンは、脳内のノルアドレナリンやセロトニンの量を変化させて、食欲を低下させる作用を持ちます。

服用方法

医師の指示にしたがい、通常は11回、朝食の1時間前または朝食12時間後に経口で投与します。必要に応じて、医師は用量を13回まで少量ずつ調整することができます。

使用上の注意

夜遅くに服用すると、睡眠障害(不眠症)の原因となることがあります。この薬は通常、一度に数週間しか服用することはできません。他の食欲抑制剤と併用しないようにしてください。フェンテルミンを長期使用または他のダイエット薬と併用することで副作用のリスクが増加します。

また、長期間または高用量で定期的に使用すると、離脱反応を引き起こす可能性があります。このような場合に使用を突然中止すると、禁断症状が出ることがあります。離脱反応を防ぐために、医師が用量を徐々に減らすことがあります。

適切な食生活のかわりに食欲抑制薬を使用しないようにしてください。最良の結果を得るためには、医師の承認を得た食事と運動プログラムとともにこの薬剤を使用する必要があります。

副作用

構造的にも薬理学的にも覚せい剤(アンフェタミン類)と類似しており、習慣性と心機能に対する重大な副作用が報告されています。主な副作用は以下の通りです。

めまい、口の渇き、睡眠障害、倦怠感、吐き気、嘔吐、下痢、便秘が副作用としてあらわれることがあります。これらの症状が持続または悪化する場合は、速やかに医師の診察を受けてください。

激しい頭痛、発作、めまい、呼吸困難、視力の低下などの重篤な副作用があらわれることもあります。

併用禁忌

モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)を併用すると、重篤な薬物相互作用が引き起こされる可能性があります。フェンテルミンによる治療中に、MAOI(イソカルボキサジド、リネゾリド、メチレンブルー、モクロベミド、フェネルジン、プロカルバジン、ラサギリン、サフィナミド、セレギリン、トラニルシプロミン)を服用しないでください。この薬剤で治療する直前の2週間にMAOIを服用するべきではありません。この薬剤の服用を開始するべきか中止するべきかを医師に相談するようにしてください。