AGA(男性型脱毛症)

プロペシアは、「フィナステリド」を主成分とするAGA(男性型脱毛症)治療薬です。AGAとは「Andorogenetic Alopecia」の略称で「男性型脱毛症」または「男性ホルモン型脱毛症」と呼ばれます。AGAの典型的な経過では脱毛はこめかみの上から始まり、生え際の後退により特徴的な「M字」パターンとなります。また、頭頂部の毛髪は細くなり、薄毛や禿髪となります。AGAは遺伝的な要素が大きく関わっており、男性ホルモンのジヒドロテストステロン作用によって引き起こされます。男性ホルモンは胎児期と思春期の男性生殖器の発達に重要であり、男女ともに毛髪の成長と性欲に重要な働きを持ちます。また、AGAは前立腺癌と深く関連しているとも言われています。

プロペシアについて

プロペシアは円形の錠剤で、ピンク色をしています。19981月、FDA(米食品医薬品局)に認可されて処方が開始され、現在は世界60か国以上で承認されています。日本においては、フィナステリド錠(ファイザー)やザガーロと同じく、厚生労働省の認可を受けているAGA治療薬です。プロペシアの日本での特許は2015年に切れており、各社から後発品が発売されています。

プロペシア25-α還元酵素を阻害して、男性ホルモンテストステロンがDHT(ジヒドロテストステロン)に転換されるのを抑制します。男性ホルモンのDHTは薄毛・抜け毛の原因の第1位とされています。高用量で前立腺肥大症・前立腺癌に対しても抑制的に作用します。

DHTによる脱毛作用を抑止するものであり、決して発毛に作用する薬ではありませんが、臨床試験では服用者の多くにある程度の発毛が認められています。日本では200512月に万有製薬(現:MSD)から発売が開始されました。保険適応ではなく自費治療に分類されます。海外ではすでに60ヶ国以上で承認されています。

効果

AGAの進行抑制としてプロペシアは、98%の人に3年間効果がありました。髪が増えてくる人も多く、国内の臨床試験では半年で48%1年で58%2年では68%3年で78%と髪が増える人が経時的に増えています。また髪が増えるだけでなく、髪の質(長さ、太さ)なども改善することも判明しています。頭頂部だけでなく、髪の毛の生え際などの前髪にも効果がある点も、従来の育毛剤とは異なります。0.2mgまたは1mg錠を11回服用します。なお、必要に応じて適宜増減できますが、11mgが上限です。服用時間は自由です。服用は成人の男性に限られ、女性や未成年は服用できません。女性に対して実施された臨床試験では、効果がないことが確認されています。アメリカ食品医薬品局 に認められているAGAに有効な薬は、このプロペシアの他にデュタステリド、ミノキシジル(商品名ロゲインなど)のみです。なお、AGA以外の脱毛症(円形脱毛症など)には効果はない。

DHTは皮脂腺の受容体と結びつき、過剰な皮脂を分泌させ、毛穴を塞いで男性型脱毛を誘発するが、このDHTの生成を阻害することで効果を発揮する。

副作用

国内臨床試験時では、1mgプロペシアで胃部不快感、性欲減退など6%程度の副作用が認められましたが、この副作用の発現頻度はプラセボで起こった副作用の頻度と同程度だとの意見があります。特に重篤な副作用は報告されていないとされていますが、万有製薬(現:MSD)はプロペシア錠を飲むことによって、頻度不明ながら、肝機能障害が起こり得るという重大な副作用を追加しています(20079月)。

1%以上5%未満に性欲減退の副作用が発現するほか、1%未満に勃起機能不全、射精障害、精液量減少が発現します。そのほか、発現率不明の副作用として、睾丸痛、男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)、乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、眩暈、そう痒症、蕁麻疹、発疹、血管浮腫(口唇、舌、咽喉および顔面腫脹を含む)、ASTGOT)上昇、ALTGPT)上昇、γ-GTP上昇が報告されています。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者および妊婦または妊娠している可能性のある婦人および授乳中の婦人のプロペシアの服用は禁忌とされています。また服用中は献血をしてはいけません。献血には、最低でも1ヶ月の休薬期間をとる必要があります。