抗てんかん薬トピラマート

トピラマート

トピラマート(Topiramate)は、抗てんかん薬のひとつで、日本では2007年よりトピナの商品名で協和発酵キリンから販売されています。適応は他のてんかん薬で十分な効果がない部分発作に対する補助薬です。シトクロムP450 3A4CYP3A4)によって主に代謝されます。連用中における投与量の急激な減少ないし中止により、てんかん重積状態が生じるおそれがあります

開発と販売

トピラマートは、はじめはジョンソン・エンド・ジョンソングループのOrtho-McNeil NeurologicsNoramcoによって生産されていました。本薬剤は、1979年にMcNeil PharmaceuticalBruce E. MaryanoffJoseph F. Gardockiによって発見されたものです。カナダではジェネリック版が入手可能であり、これらは米国でも20069月にアメリカ食品医薬品局(FDA)によって認可されています。

日本では20077月製造販売承認可され、トピナの商品名で協和発酵キリンから発売されています。他の抗てんかん薬との併用で、てんかんの部分発作の治療に用いられています。

機序

電位依存性ナトリウムチャネル抑制作用、電位依存性L型カルシウムチャネル抑制作用、AMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体機能抑制作用、GABA存在下におけるGABAA受容体機能増強作用および炭酸脱水酵素阻害作用と多彩な作用機序を持っています。

適応

日本では、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかんの部分発作に対する併用補助役(二次性全般化発作を含む)として使用されています。

海外では、成人の全般性強直間代発作に対する単剤・併用療法、小児の部分発作、全般性強直間代発作や部分発作の単剤・併用療法、小児のレノックス・ガストー症候群に関連した発作に対する併用療法としても承認されています。

用法・用量

通常、成人にはトピラマートとして1回量50mg11回又は12回の経口投与で開始するものとします。以後、1週間以上の間隔をあけて漸増し、維持量として1日量200400mg2回に分割経口投与します。なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は600mgまでとされています。

トピラマートは他の抗てんかん薬と併用して使用することが推奨されます(国内臨床試験において、本剤単独投与での使用経験はありません)。

副作用

傾眠、体重減少、浮動性めまい、無食欲および大食症などの摂食異常、抑うつ状態、注意力・記銘力低下、言語障害、知覚障害、反射運動能力低下などの副作用が報告されています。

また添付文書には、自殺企図や自殺念慮の既往歴における症状悪化や、それらを生じさせる海外の試験結果についても記載されています。

重大な副作用

・代謝性アシドーシス。

・閉塞隅角緑内障・急性近眼(視力の急激な低下)。

・乏汗(汗が出なくなる)、およびそれに伴う高体温・高熱。

・腎・尿路結石。

・催奇形性(胎児への影響)。

従来の抗てんかん薬と比べ、スティーブンス・ジョンソン症候群、重篤な肝障害、血液系の副作用は少ないとされます。

連用中における投与量の急激な減少ないし中止により、てんかん重積状態が生じるおそれがあり、慎重に漸減する旨の注意が記載されています。

慎重投与

・閉塞隅角緑内障の患者(症状が悪化するおそれがあります)。

・アシドーシスの素因を有する患者又はアシドーシスを来しやすい治療を受けている患者(高クロール性の代謝性アシドーシスが生じるおそれがあります)

・腎機能障害、肝機能障害のある患者(本剤のクリアランスが低下することがあります)

・自殺企図の既往及び自殺念慮を有するうつ病の患者(症状が悪化するおそれがあります)

65歳以上の高齢者(高齢患者にトピラマート100 mgを単回経口投与した場合、成人に比べ最高血中濃度及びAUC0〜∞はそれぞれ23%25%増加し、半減期は約13%延長します)