禁煙補助薬バレニクリン

バレニクリンについて

バレニクリン(英語: Varenicline)とは、α4β2ニコチン受容体の部分作動薬作用で、ニコチンよりも弱いニコチン受容体への刺激作用を持ちます。ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙補助薬として利用されています。

日本では商品名チャンピックス(CHAMPIX)で、ファイザーが販売しています。アメリカ合衆国では商品名チャンティックス(CHAMTIX)で、2006年より販売されています。

日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律における劇薬で処方箋医薬品です。ニコチン依存症管理料の算定に伴って処方されれば、保険が適用されます。従前の禁煙補助剤であるニコチンガム、ブプロピオン、ニコチンアンタゴニストなどとは薬理学的に異なります。

薬理作用

バレニクリンの禁煙に対する効果は、α4β2ニコチン受容体の部分作動薬作用(刺激作用と拮抗作用)によって発現します。刺激作用は部分的でニコチンより弱く、ニコチン受容体を軽く刺激することで少量のドーパミンを放出させ、禁煙に伴う離脱症状やタバコに対する欲求を軽減します。拮抗作用は、ニコチンのニコチン受容体への結合を妨げ、その作用を弱めます。ニコチンによるドーパミン放出を抑制するので、喫煙による満足感を得られにくくします。α4β2ニコチン受容体に対して作動薬・拮抗薬両者の特性を持つバレニクリンは画期的な禁煙治療薬です。

用法・用量

通常、成人にはバレニクリンとして第13日目は0.5 mg11回食後に経口投与、第47日目は0.5 mg12回朝夕食後に経口投与、第8日目以降は1mg12回朝夕食後に経口投与します。バレニクリンは、健康保険を使って医師の指導のもと約12週間の治療期間が必要です。2週間ごとに計7回、医師の診察を受けなければなりません。

副作用

厚生労働省医薬食品局は、チャンピックスに関する副作用を報告しています。チャンピックスの添付文書には使用上の注意としてめまい、傾眠について書かかれています。実際に意識の低下・消失など意識障害を起こし、それに伴う自動車事故が発生しています。自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意が必要です。以下の症状が出現した場合は、投与を中止し、適切な処置を受けるようにしてください。

・皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑

・血管浮腫(顔面、舌、口唇、咽頭、喉頭等の腫脹を症状とする血管浮腫)

・意識障害

・肝機能障害、黄疸

高齢者への投与

本剤は主として腎排泄されます。高齢者では腎機能が低下していることが多いため、注意すること。腎機能を確認し、重度腎機能障害が認められた場合には、用量調節を行うことが必要となります。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。小児等に対する安全性は確立していません。

慎重投与

統合失調症、双極性障害、うつ病等の精神疾患のある患者、重度の腎機能障害のある患者、血液透析を受けている患者については慎重投与が推奨されます。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シメチジン 本剤は主として腎排泄されます。シメチジンとの併用により、本剤の腎クリアランスが低下して全身曝露量が増加するおそれがあるので、重度の腎機能障害のある患者で併用する場合は注意が必要です。 シメチジンが尿細管における本剤の輸送を阻害し、腎クリアランスを低下させます。また、本剤は腎排泄されます。