メサラジンについて

メサラジンMesalazine)とは抗炎症薬のひとつで、潰瘍性大腸炎、クローン病の炎症を治療するのに使用されます。5-アミノサリチル酸(5-ASA)とも言われます。結核の治療薬パラアミノサリチル酸(4-アミノサリチル酸、PAS)の位置異性体です。

「アサコール」(ゼリア新薬工業)、「ペンタサ」(杏林製薬)、「リアルダ」(持田製薬)などの商品名で販売されています(アサコールは錠剤、ペンタサは錠剤、顆粒剤、坐剤、注腸剤、リアルダはフィルムコーティング錠)。

作用機序

潰瘍性大腸炎は、「主として粘膜を侵し、しばしば、びらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のびまん性非特異性炎症」と定義される慢性難治性炎症性腸疾患で、厚生労働省の特定疾患に指定されています。代表的な臨床症状は、持続性または反復性の血便もしくは粘血便で、しばしば、下痢、腹痛、発熱を伴いますが、罹患部位、罹患範囲および炎症の程度によって、多彩な臨床症状を呈します。

潰瘍性大腸炎は発症原因が明確にはわかっていないため、現在でも根治的な治療法は確立されておらず、寛解と再燃を繰り返すため、長期にわたる内科治療が必要となります。

有効成分であるメサラジンは病変部位である大腸粘膜で作用して炎症を抑制すると考えられており、その治療効果は大腸粘膜中濃度と相関すると報告されています。メサラジンはそのまま経口投与すると速やかに上部消化管で吸収されるため、上部消化管での吸収を抑制し、大腸に効率的にメサラジンを送達するよう工夫した経口剤が開発されています。国内ではサラゾスルファピリジン、時間依存型メサラジン放出調節製剤およびpH依存型メサラジン放出調節製剤が承認されています。これまでの潰瘍性大腸炎治療指針では、寛解導入時には、国内外の報告より高用量の効果が高いことから、病変範囲および病型等によらず、時間依存型メサラジン放出調節製剤では4000mg/日が望ましく、pH依存型メサラジン放出調節製剤では3600mg/日が望ましいとされています。そのため、現在の活動期の潰瘍性大腸炎に対する経口メサラジン製剤による治療の主体は高用量であると考えられています。

効能・効果

潰瘍性大腸炎(重症を除く)、クローン病。

用法・用量

・潰瘍性大腸炎

通常、成人にはとして11,500mg3回に分けて食後経口投与しますが、寛解期には、必要に応じて11回の投与とすることができます。なお、年齢、症状により適宜増減できますが、12,250mgを上限とします。ただし、活動期には、必要に応じて14,000mg2回に分けて投与することができます。

通常、小児にはとして13060mg/kg3回に分けて食後経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減しますが、12,250mgを上限とします。

・クローン病

通常、成人には11,500mg3,000mg3回に分けて食後経口投与します。なお、年齢、症状により適宜減量するものとします。

通常、小児には14060mg/kg3回に分けて食後経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減するものとします。

副作用

一般的な副作用は、下痢、吐き気、痙攣、腹の張りですが、稀に頭痛、症状の悪化、超過敏反応(吹き出物、蕁麻疹等)、脱毛、急性膵炎、肝炎、ネフローゼ症候群、血液疾患(無顆粒球症、再生不良性貧血、白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症等)が起こることもあります。

サラゾスルファピリジンより副作用は少ないですが、稀に以下の副作用が起こることがあります。

・アレルギーの肺の反応

・アレルギー性心筋炎

・メトヘモグロビン血症

重大な副作用

・骨髄抑制、再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症

・心筋炎、心膜炎、胸膜炎、間質性肺疾患、膵炎、間質性腎炎、ネフローゼ症候群、腎不全、肝炎、肝機能障害、黄疸です(全て頻度不明)。